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密教




密教(仏教)の事です

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密教とは?
実を言うと、インドには「密教」という言葉はない。
相当するのは、ヴァジュラヤーナ(金剛乗)・マハーヤーナ(大乗)等だが、厳密には意味が異なるのだ。
では、密教とは何なのかというと「教理と行に呪術的、具象的表現を伴う仏教」とでも言っとこうか。
顕教・密教の違いを、空海は「顕教は人の世界の理性的な原因の世界
密教は仏の世界の不思議な結果の世界(因分可、因分不可)
」と定義する。
したがって、大乗に対する小乗的な扱いとは異なり、密教では、総じて顕教を重んじている。
(密教の2大勢力の1つ、天台宗では、密教儀礼を行わない寺もあるほどだ)

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密教呪法
密教とは、秘密仏教であるから、軽々しく教えを説く事を禁止させざるをえない。
この自戒を三昧耶(さんまや)といい、これに反する行為(潅頂・かんじょう[密教入門の儀式]をしていない者に
師の許しなく真言や行の内容を伝えるなど)は大罪とされる。

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チベット密教
チベット仏教は、下記の定義に当てはまる密教の一形態といえる。
ただし、チベットへの仏教の伝来は、日本より数世紀後であり
これに、土俗信仰が習合しているので、発展の仕方は大きく異なる。

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密教の神々

薬師如来
大医王仏(だいいおうぶつ)の異名を持ち、一切の病者を救済する。
延命・治病・安産など、健康に関するあらゆるご利益がある。

観世音菩薩
般若心経、観音経の主人公がこの観世音。
あらゆる災害から人々を救う慈悲の菩薩で千手・十二面・馬頭など多くの種類がある。

虚空蔵菩薩
文殊菩薩と並ぶ知恵の仏。
虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)は、空海をはじめ、
高徳の善知識が、必ず習得したとされる記憶と知恵の増強呪術。

不動明王
五大明王の主尊。
明王とは真言の力を体現した仏のことで、特に破邪・怨敵調伏・立身出世・商売繁盛にご利益がある。

大元帥明王
諸明王の総帥とされる。
国家を守るための調伏呪法が名高く、平将門の乱・元寇(げんこう)などを名だたる危機を救ったとされる。

軍茶利明王
すべての悪鬼・外敵から人間を守る。歓喜天を支配すると言われる。

孔雀明王
この明王の呪法を修して、修験道の祖「役の小角(えんのおづぬ)」が空を飛んだ話は有名。
明王では、唯一優美な菩薩形(ぼさつぎょう)。若返り・延命・破邪にもご利益がある。

愛染明王
愛欲を悟りに変える力を持つ明王だが、むしろ、恋愛成就のご利益で名高い。

烏枢沙摩明王
この世の不浄を払う明王。その他祟り除け・知恵増大・安産等にもご利益がある。

降三世明王
3世(過去・現在・未来)の3毒(貧欲・憎悪・愚かさ)を降伏する明王。
大日如来や大自在天の化身とも。

茶吉尼天
狐を眷属(けんぞく)とする稲荷(神道の本尊とは別系だが混在)である。
管狐(くだぎつね)の神格化した姿ともされる。
茶吉尼天に関しては、勧請するというより、使役するという感が強い。

大黒天
茶吉尼天を降伏するため、大日如来が変じた姿とされる。日本に入り、大国主命と習合した。

弁財天
妙音弁才を本誓(ほんぜい)とするため、芸術一般に霊験あらたかである。
また、悪夢・降魔・疫病等を除き、福徳を与える。
蛇体のものは、性質の似た宇賀神(うがじん)と混交したものである。

摩利支天
陽炎の神格化神。
陽炎ははっきりと見ることも、触ることも出来ない事から、困難を避け、自分が傷つかずに敵を倒せるとされている。

歓喜天(聖天・しょうてん)
暴神と観音が抱擁する姿で表される。
蓄財の霊験あらたかだが、もともと荒ぶる神なので、修法には注意が必要である。

馬頭明王
別名 大力持(だりきじ)明王、馬頭観音とは異なる。議論に勝つ・相愛・破邪・解毒のご利益がある。

毘沙門天
4天王中、北方を守る多門(たもん)天の別称。怨敵降伏・除病・晴雨・旅行安全等にご利益。

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薬師如来
医術の未発達だった昔は仏の力を使って病を治そという人々が多かったのです。
そこで、大医王仏(だいいおうぶつ)ともいわれ、全ての病人を救うとされている薬師如来は
我が国においても飛鳥時代から広く信仰されていました。
薬師如来は、瑠璃光如来ともいい、インドでは「バイシャジヤグルバイドゥールヤプラバラージャ」と呼ばれて
須弥山(しゅみせん)の遥か東方、浄瑠璃世界の教主として、
12の願を発し、衆生(しゅじょう)の病苦を取り払う事に努めています。
ご利益は「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ(真言)」を唱えれば
寿命が延び、病が治り、お産が軽くなると伝えられているが、この仏は特に眼病に霊験があるとされています。

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白衣観音経
白衣観音と聞いてもピンとこないと思うけど、前に「地獄先生ぬ~べ~」
と言う漫画でぬ~べ~先生が使っていたのがこの白衣観音経です。
白衣観音は、言うまでもなく観音様の一種である。
観音様とは「観世音菩薩」のことで、優しい慈悲の心を持って
人々を救う仏様として、日本でもっとも人気のある仏様です。
この観音様について説いているのが「妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五
(みょうほうれんげかんぜおんぼさつふもんぼんだい)いわゆる観音経」だが、
この中で、観音様は状況に応じて33の姿に化身すると書かれている。
白衣観音はこの33の化身のうちの1つである。
白衣観音(インドでの原名はパンドゥラヴァーシニー)はその名の通り頭上に白い布を被った女性の姿をしている。
別名「大息災観音(だいそくさいかんのん)」と呼ばれ、あらゆる災難を除く仏様として信仰されてきた。

南無大慈悲救苦救難広大霊感     観世音菩薩   摩訶薩
なむだいじひきゅうぐきゅうなんこんだいれいかん  かんぜおんぼさつ   まかさつ

南無仏  南無法  南無僧  南無救難観世音菩薩
なむぶつ   なむほう   なむそう   なむきゅうなんかんぜおんぼさつ

妲姪とおん    伽羅伐た  伽羅伐た   伽羅伐た  伽羅伐た   伽羅伐た   娑婆訶 
とーじーとーおん    からはつた    からはつた    からはつた    からはつた    からはつた    そわか

天羅神   地羅神  人離難   難離身   一切災殃化為塵
てんらしん   ぢらしん   じんりなん   なんりしん   いっさいさいかいじん

南無魔訶般若波羅蜜
なむまかはんにゃはらみつ


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九字(早九字)
「臨(りん)・兵(ぴょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(かい)・陳(ちん)・列(れつ)・在(ざい)・前(ぜん)」
の九つの文字を唱えて、縦4本、横5本の線(直線)を空中に描くことにより、
一切の禍(わざわい)が除かれ、かつ身は護られ勝利を得るという。
主に中国の道家や兵法家がおこなっていたという。
日本では修験道などに入り、作法はより複雑になった。

これは自分達のやり方だが、
「臨(りん)・兵(ぴょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(かい)・陳(ちん)・列(れつ)・在(ざい)・前(ぜん)」
は主に退治や清め的な意味合いで使用し、
「臨(りん)・兵(ぴょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(かい)・陣(じん)・列(れつ)・在(ざい)・前(ぜん)」
は主に自分の気持ちを高めたり成就させたい時に使用する。

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