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ヒンドゥー教




ヒンドゥー教の事です



ヒンドゥー教の3大神
ヒンドゥー教の3大神とは、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァである。
3神はそれぞれ宇宙の構造・維持・破壊を司り、3神は一体であるというトリムーティ(3神一体説)が説かれる。
ブラフマーは、理念上の神とされて神話も少なく、信仰が広まなかったが、ヴィシュヌ派とシヴァ派は
ヒンドゥー教の2大勢力となり、その信仰は現代に至るまで隆盛をきわめている。
両者は、ヴェーダ時代、それほど重要な神ではなかったが、仏教の衰退と時を同じくした
ヴィシュヌは化身神話、シヴァはタントリズム(性を積極的に肯定する宗教観)によって
土着信仰を取り込み、信者の心をつかんだ。



ヒンドゥーの神々

ヴィシュヌ
ヴェーダ時代には、太陽の光を神格化した存在で、天・空・大地を3歩で踏み越え、人間の安住を守る神とされた。
穏やかで、慈悲に満ち、さまざまな姿に化身するところに特徴がある(10大化身中にはブッダも含まれる)。
持ち物は円盤、法螺貝、棍棒、蓮の4つ。

シヴァ
シヴァは暴風雨神のルドラを母体として成立た神である。
化身はしないが、悪魔降伏の破壊神、信者に恩恵を与える恩愛神などさまざまな側面を持ち、多くの異名を持つ。
リンガ(性器)崇拝と女神信仰というタントリズムに特徴がある。
ヴィシュヌとシヴァは、合体した姿で表わされることもあり、これは、ハリ・ハラと呼ばれる。


ヒンドゥー教の女神たち
ヒンドゥー教の女神。地母神として優しい面と破壊の女神としての両面を持つ。
また、シャクティ(性力)の象徴であり、男性原理と合一して、多いなる力を生み出すものとして大きな信仰を集めている。

サラスバティー
ブラフマー(一説にはヴィシュヌ)の神妃。
リグ・ヴェーダでは、最上の女神として讃えられている。
学問と知恵、財産と幸福、弁舌と芸術を司り、日本に入って弁財天(弁才天)となった。

ラクシュミー
ヴィシュヌの神妃。幸福と美と繁栄を司る美しい女神で、にほんに入って吉祥天となった。
常に夫に寄り添い、ともに化身する。リグ・ヴェーダ時代は、運命を司る女神だった。

パールヴァティー
パールヴァティーは、ヒマラヤ神の娘である。数百いるというシヴァの神妃は、実は全てこの女神の化身とされる。
美しく貞節だが、いたずら好きな面もあり、シヴァの額の目はそのせいで出来たとも言われている。

上記3神を、慈愛の面を表す代表とすれば
血と破壊の面を表す女神の代表は、ドゥルガーとカーリーであろう。(いずれもシヴァの神妃出である)



ドゥルガー
もともと戦いの中で生まれた女神で、悪魔アスラを倒した。ライオンを従え、剣を振りかざした姿で描かれる事が多い。

カーリー
血を好み、破壊と殺戮を呼ぶ強大な女神である。
舌を出し、生首を下げて髪を振り乱した姿は、カーリー・ヘアーの語源ともなった。

ガネーシャ
象の頭で小太りという風貌のガネーシャは、パールヴァーティーの子である。
富と学問の神として、インドで最も人気である神の1人。日本に入って歓喜天(聖天)となった。

スカンダ
戦争の神で神軍の総指揮官。
パルヴァーティーの子でクマーラ、カルッティケーヤとも呼ばれる。日本では韋駄天とされた。

ナンディン
白い牡牛のナンディンはシヴァの乗物。シヴァ派の寺院の前には、必ずナンディン像がある。

ガルダ
ガルダは黄金色に輝く霊鳥で、ヴィシュヌの乗物である。蛇の毒を除くとされている。
日本に入って、天竜八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)の迦楼羅(かるら)・金翅鳥(きんしちょう)とされた。

インドラ
リグ・ウェーダ中、その傘下が1/4を占める英雄神。帝釈天の原型。

プラジャーパティ
ブラーフマナ文献における最高神。万物の創造者・神々の王とされる。

ナーガ
蛇の王。インダス文明の発祥よりも古い起源を持つ先住民の神とも言われる。
今日でも、南インドで広く信仰されている。

ヤマ
最初に死んだ人間で、死の国の王。中国に入って閻魔(えんま)となった。

ハヌマーン
猿の英雄神。叙事詩「ラーマー・ヤナ」中で活躍で有名。
主人公ラーマに対する忠誠心と自己犠牲的な性格は、武士の模範とされた。
破邪・子宝の神として人気がある。



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